舌足らずの詩人は

福地勇からあなたへ歌や病気など

「自然」を、人間が「守る」のだと言う。

そんなうぬぼれた話があるだろうか?
人間が、自然を守ってあげる立場にあるとでも思っているのだろうか?

確かに、
「自然」を今の様にしたほとんどの原因は人間にある。
これ程地表の景色を変えた生物は、40億年いなかっただろう。

でも、
ちょっと乱暴な言い方だけれど、
それは「自然」にとって「壊された」のだろうか?

様々な要因で、地球の環境は様々に変化してきたのだろう。
それはもちろん、人類が生まれるずうっとずうっと前から。

それを地球は、環境は、全て受け入れてきたのだ。
むしろそれが、地球の、環境の、姿なのだ。

だから、
今だってそうだ。


それじゃあ今、
人間が守ろうとしているものは何だ?

油まみれの海鵜か?
ビニール袋を食べるウミガメか?
ホッキョクグマか?
珊瑚か?
熱帯雨林か?

それは人間だ。
人間にとっての環境だ。

人間が暮らせなくなるのは困るからね。

それを人間は、
あたかも「自然」を守ってあげるかの様に言うのだ。

こんなおこがましい事はなかなかない。


そもそも「自然」と言う言葉だ。

人間と、人間の作ったもの以外を「自然」と呼ぶ。

高慢の極みの言葉ではなかろうか?

僕は「自然」が好きで、しかしあえて言うのだ。

「自然」と言う言葉を使う時の、獏とした違和感を。


近くをヒヨドリが通過する、
穏やかな秋の昼下りに。