舌足らずの詩人は

福地勇からあなたへ歌や病気など

からたちの花と言う童謡を、
聞いたことがあるでしょう?

 からたちの花が咲いたよ
 白い白い花が咲いたよ

っていう。

これね、
ここまでしか知らないでしょう?
僕もそうでしたが、

全文はこう


  からたちの花が咲いたよ、
  白い白い花が咲いたよ。

  からたちのとげはいたいよ、
  あおいあおい針のとげだよ。

  からたちは畑(はた)の垣根よ。
  いつもいつも通る道だよ。

  からたちも秋はみのるよ、
  まろいまろい金のたまだよ。

  からたちのそばで泣いたよ、
  みんなみんなやさしかったよ。

  からたちの花が咲いたよ、
  白い白い花が咲いたよ。


ああ、
51歳のおじさんは、
もう目がおかしくなって文章もろくに書けんのですよ。

老眼と、涙で。


最初の2行しか知られてないのには理由があって、
決して決して山田耕筰さんのせいではなくて、
完全にあくせくとした人々のせいなのだけれども、
曲がゆったり過ぎて、そこまでたどり着かないのだ。


人間よ、
いつの日かこの歌を、
せめて休みの日にでも、

最初から最後まで、
噛みしめる事が出来るだろうか?