舌足らずの詩人は

福地勇からあなたへ歌や病気など

あれから、実は色々あったのだよ。考えてもみたまえ。もう十五年ではきかないよ。そりゃあ五十歳にもなる。

病気をした、舌癌という、つまりガンだ。これはもうほとんど治ったけれど、癌というのはやはり大変だ。大人が泣くほどだ。これに就いては追々。多少後遺症は残るも。

しかし、病気が精神に何らかの作用を及ぼすのはどうやら本当らしく、ましてや僕は元来が内向的ゆえに、尚更その作用は強く働いたのかもしれない。つまり、僕は詩を書いているのだが、無論、昔から歌詞は書いてきたし、根本的には、要するに僕が書いているという点においては、両者は同じだ。しかし、旋律が制約しない分、いわゆる詩歌の方が精神に近づき易いかもしれない。

これもまた追々。ゆっくりと。

ひとまず、元気で生きておる。