舌足らずの詩人は

福地勇からあなたへ歌や病気など

『私どもは時々、不具な子供のやうないぢらしい心で、部屋の暗い片隅にすすり泣きをする。さういふ時、ぴつたりと肩により添ひながら、ふるへる自分の心臓の上に、やさしい手をおいてくれる乙女がある。その看護婦の乙女が詩である。』


『詩は私にとつての神祕でもなく信仰でもない。また況んや「生命がけの仕事」であつたり、「神聖なる精進の道」でもない。詩はただ私への「悲しき慰安」にすぎない。
 生活の沼地に鳴く青鷺の聲であり、月夜の葦に暗くささやく風の音である。』


こんなに的確に、詩を定義できるものだろうか。


これは完全に僕と一致するから、こんな風に書かれて僕は、
打ちのめされ、歓喜に踊り、嫉妬に悶えるのだ!


これは萩原朔太郎