2021-06-08 ■ のど赤き玄鳥ふたつ屋梁にゐて足乳根の母は死にたまふなり(のどあかきつばくらめふたつはりにいてたらちねのはははしにたもうなり)斎藤茂吉の恐らく一番有名な歌だ。確か中学の教科書にもあった。祖父が、僕が中学の時に死んで、葬式の為に田舎へ行った。親戚一同が集まる中、いとこのお兄ちゃんと、赤とんぼを獲っていた。それこそ無数の赤とんぼだった。じいちゃんが死んで、赤とんぼを見上げ、僕は「ああ」と思った。その時の心境と、茂吉のこの歌が、とても良く似ていた。