舌足らずの詩人は

福地勇からあなたへ歌や病気など

癌を経験したものは思う。つまり、転移や再発のたびに、「これをやっつけてもまた次があるかもしれない」と。そうこうしているうちに「次はいよいよまずいかもしれない」と。つまり、有体に言えば死を覚悟する。少なくとも受け入れる準備をする。それはそれで仲々大変なことである。だがしかし問題はそこから。覚悟したのち、なかなか死なないのだ。もちろんそれは良いことで、ありがたいのだ。現代医療の賜物だ。しかしどこかで「この覚悟をどうしたらいい」というもやもやがある。当然もう癌にはなりたくないし、すぐに死んでいいとも思わない。ああ、このもやもやが、一生続くのだねぇ。

ということで、また始めます。