舌足らずの詩人は

福地勇からあなたへ歌や病気など

 道程

僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
ああ、自然よ
父よ
僕を一人立ちにさせた広大な父よ
僕から目を離さないで守る事をせよ
常に父の氣魄を僕に充たせよ
この遠い道程のため
この遠い道程のため


こんなものを中学生が理解出来るだろうか?


確かに印象的な詩で、頭のどこかに残っている人も多いかもしれない。
それだけでも中学の教科書に載せられた意味があるとしたら、選んだ人は大したものである。
高村光太郎の詩を愛する者として、そこらへんについては少々あるが。


ここ3年位、本当にいろいろあって、何だかとても疲れちゃって、そんな時ふと、この詩が浮かんだ。

いつの間にか覚えていた詩を、声を出さずに読んだ。

涙が出た。

理解したわけでも共感したわけでもないと思うけれど、涙が出た。


どうも最近、
自分でも驚くほど、
涙腺が弱い。